令和4年度2月定例議会 一般質問 & 答弁

令和4年度2月定例議会 一般質問 2月27日

〜これからの農政について〜

【原健児】

今回は、これからの農政についてと、特別支援学校について、質問いたします

まずは農政についてです

わが町箕輪の萱野高原から上伊那を一望できます。

東西のアルプスに囲まれた 上伊那の地は 春から夏秋 青々と 水田、畜産に使用される牧草で覆いつくされます。

恵まれた地形により 牧草の成長は良好であり 日本一の飼料とききました

この牧草地の多くは 地元畜産農家、またに専業生産者よる

自給飼料のための牧草地であります。

先日、若い畜産農家の方とお話をいたしました。

後継者問題、燃料高騰、そして飼料高騰により 経営基盤が揺らぎ、不安ばかりの業界ではあるが 自分がつくる自給飼料でできた

この豊かな緑、郷土のために残すのも使命と思い 畜産を続けていきたい と語りました。

1件でもこの畜産農家がきえてしまうと この郷土の緑に大きな穴が空いてしまうのだな、自給飼料のためのこの牧草地は この郷土の自然に大きな恩恵をもたらしているのだ と痛感するものです。

今回も多くの質問に農家の嘆きが語られています。

今後の国、県、関連団体による支援が施され 苦しい中で繋ぎとなることと信じ、

高騰対策支援後の課題について と、

先のように希望を語る若者を育成する農業大学校について

合わせて3件を 小林 農政部長に 質問いたします。

1つめ、

先を見据えた持続可能な農業を行っていくためには、温暖化対策や脱炭素対策など、社会の流れに適応した農業の形を模索していく必要があると考えます。

本県の農業分野における温暖化対策、脱炭素対策として、どのような取り組みを行っているのか伺います。

2つめ、

他県においても農業大学校がある中で、本県の農業大学校が生徒に選ばれるためには、特色のあるカリキュラム等が必要と考えますが、本県の農業大学校の現状と育成方針について伺います。

3つめ、

持続可能な農業のためには、いわゆる「スマート農業」などを積極的に取り入れていくことが重要と考えますが、本県の農業大学校においては、こうした取り組みに触れ、学ぶ機会があるのか伺います。

【回答】小林農政部長

私には農業政策について3点のご質問を頂きました。始めに、まず農業分野における温暖化対策、脱炭素対策の取り組みについてでございます。県では地球温暖化に適応するため高温でも色付きの良いりんごリンゴシナノリップやりんごの日焼けに対する遮光ネットの利用など温暖化に対応した新品種や新技術を開発し生産現場への普及を進めているところです。さらにリンゴや水稲など本県の基幹品目については試験場に高温環境を再現する施設を設置し、作物の生産等に及ぼす長期的な影響評価などの研究も行っております。また温室効果ガスの排出抑制対策として、炭素貯留の取り組みを推進するため果樹せん定枝を土壌に還元する炭化専用機器の農業者への貸し出しや実演会を行っているところです。今後も社会情勢をとらえた研究開発中に取り組み持続可能な農業につなげてまいります。

次に本県農業大学校の特色と教育方針について、でございます。

農業大学校では理論と実技を同時に学ぶ実践型の教育により、農業技術や経営力の習得とともに主体的なプロジェクト学習や寮生活を通じて社会性を寛容し、本県農業農村を支える人材の養成を教育方針として掲げております。本校の特色として総合農学科において数等の品目を選択し、専門的かつ幅広い農業技術を習得できる農業経営コースに加え、卒業後すぐに就職、就農できるよう100日間実習や模擬経営等の実践的カリキュラムに重点を置いた実践経営者コースを設けております。さらに、県内外から各分野の第一人者を外部講師としてお呼びする高度な講義や、県内の先進的農業者等から起業チャレンジ精神を学ぶ講義とカリキュラムの充実を図っているところです。これらの取り組みにより、全国42の農業大学校のうち本県の令和3年度の志願倍率1.3倍と全国4位となっているほか県外からの学生が3割を占めるなどの成果も現れており引き続き学生から選ばれる学校となるよう努めてまいります。

最後に、農大におけるスマート農業について、でございます。県農業大学校では、スマート農業技術を理解し使いこなせる人材の育成が必要であると考え、令和元年度からスマート農業に関するカリキュラムを取り入れているところです。具体的には国内の主要農業機械メーカーと連携し、自動運転田植え機や直進走行アシストするトラクターなど最新のスマート農業技術に関する講義や操作技術の体験により学ぶ機会の充実強化を図っております。さらに、農業用ドローンの操縦資格を取得できる講義も選択できるなど、時代のニーズに合った取り組みも進め最新のスマート農業への対応に努めてまいります。以上でございます。

〜特別支援学校について〜

【原健児】

次に 特別支援学校についてです

今月10日、上伊那には10数年振りか という大雪が降りました。

この日は、日頃よりお手伝いをしている 子ども食堂の開催があり、積り続ける雪に、手を止めることができず、一日中 雪かきに翻弄いたしました。

週あけた月曜日、いまだ掻き切れない雪が覆う、伊那の養護学校に伺いました。

ほどなくして、下校時刻となり、教室から 児童・生徒ひとりに

一人の先生が付き添い、スクールバスに乗り込みます。

雪で覆われた送迎用の駐車場では、放課後支援施設に向かう子どもたちが、施設担当の車に慣れた様子で乗り込みます。一台二台、八台、九台。保護者自らの迎えもあり、こちらの駐車場はいっぱいです。

スクールバスは3台。2台のバスには専任の添乗員がつきます。

1台は教員が交代で付き添うのだそうです。

内堀教育長に 質問いたします。

特別支援学校に通う児童生徒が増加傾向にあります。スクールバスの増便や路線拡大を進め、生徒の利便性を高める必要があると考えますが、いかがですか。

また、朝夕の送迎時における添乗業務は、教員にとって大きな負担となっているため、負担軽減のため、添乗業務の外部委託をさらに進めるべきと考えますが、お聞かせください。 

つぎに、

特別支援学校 高等部生 の就労支援についてであります。

本年度 伊那養護学校の生徒を対象に行われた 特別支援学校技能検定大会 サービス部門 を拝見いたしました。

実際の喫茶ルームを使用し、検査官の目、取材のカメラ、独特の静けさの中 検定が行われます。

「検定終了、お疲れさまでした」と声がかけられると 緊張の解放から涙する生徒たちでありましたが、「自分は今後ホテルマンになりたい」と語ってくれました。

この特別支援学校技能検定大会については、生徒の職業技能の向上を図るだけでなく、企業への就職につながる重要な取り組みであります。特に企業等に対して、本大会の認知度向上を図る取り組みを進める必要があると考えますが、

見解を伺いたします。

また技能検定大会の成果は、実際に生徒の就職につながっていると考えます。

卒業生の進路の状況について伺いたします。

特別支援学校の生徒の就職のためには、学校と保護者間の円滑なコミュニケーションが必要です。特別支援学校には外国籍の生徒も在籍しております。必要な情報を提供し、生徒の希望が実現する就職となるよう、外国籍の保護者向けに通訳の配置が必要と考えますが、

現状と今後の取り組みについて伺いたします。

特別支援学校の生徒の就労支援のために5名の就労コーディネーターが採用されています。この少ない人数で専門性を求められる業務に携わっていただいておられますが、

現状と今後の取り組みについてお伺いいたします

最後に、

次年度の予算概要にもある『特別支援学校の 外部専門家 活用事業』についてであります。

継続実施されている事業で『一流の芸術家やスポーツ選手を招聘して学びの充実を図るもの』とあり、生徒にとっても貴重な経験になるものと考えます。

現状と成果について伺いいたします。

以上、よろしくお願いいたします 

【回答】内堀教育長

私には特別支援学校について大きく5点、ご質問を頂戴いたしました。始めに特別支援学校におけるスクールバスの増便等と添乗業務の外部委託に推進についてのお尋ねでございます。県教育委員会では、遠距離通学が多い特別支援学校の児童生徒の通学保障のため、令和2年にスクールバスの配置基準を策定し、自力通学等が難しい利用希望者には原則乗車できるように取り組むとともに添乗業務については教員の負担軽減のためバスを増車する際には外部委託を進めてまいりました。必要となるバスについては毎年度各学校において、翌年度の利用希望を入学予定の児童生徒を含めた保護者から丁寧に聞き取るとともに、利便性向上のために運行ルートの見直し等も行っております。そのうえで必要となる増車にも取り組んでおり、最近5年間では10台増車しております。また本年度から新年度の急な利用希望者の増加に対応するリースによる大型ワゴン車3台を別途確保することにより安定的な運行に努めております。一方で年度中途に新たな乗車を希望される場合などでは、乗車ができないケースもありますので、今後はより丁寧なニーズの把握や有効なバスの配置さらには働き方改革を進める観点からも、添乗業務の外部委託を進めてまいりたいと考えております。

次に特別支援学校技能検定の企業等への認知向上の取り組みと卒業生の進路状況についてのお尋ねでございます。県教育委員会では平成29年度から高等部生の働く意欲や働く力を高め希望する進路が実現するよう身につけた知識技能を一定の基準で評価認定する長野県特別支援学校技能検定を清掃・喫茶サービス・食品加工の3部門で実施しております。この大会に参加する生徒は企業から招聘した外部講師による直接指導などの事前学習を行った上で検定に臨み、自らが認められできたことが増える手ごたえや喜びを感じる事により、その後の就職活動等に自信を持って取り組むことに繋がっているものと考えております。この大会の周知については現在県のホームページでPRするほか経済関係団体を訪問して大会の見学を依頼する等取り組んでおりますが、企業関係者の見学はまだまだ少ない状況ですので他のイベントとの共同開催や、就労コーディネーターが企業訪問時に積極的にPRすることなどにより見学者を増やせるように取り組んでまいります。また、高等部卒業生の進路については令和3年度卒業生354人のうち就職者は104人全体の29.4%と技能検定開始前の平成28年度の26.2%を上回っており、技能検定を通じ企業等の方々に生徒のできることや意欲を知って頂くことも、就職率向上の要因の一因になっているものと考えております。

特別支援学校高等部生の就職支援のための通訳の配置についてございます。特別支援学校には令和4年5月現在24名の外国籍の児童が在籍しており、保護者との日々の家庭連絡等には翻訳ソフトを活用するとともに、きめ細かなコミュニケーションが求められる保護者懇談会や、進路などを相談する支援会議等においては各校が地域で通訳を行える支援者などに依頼して、対応しております。

また、各校で通訳者が見つからない場合は、公益財団法人長野県国際化協会とも連携し確保に努めております。しかしながら、急に必要が生じた場合などは通訳確保が難しいこともありますので、引き続き関係機関や地域の支援者などと連携しながら保護者と円滑なコミュニケーションが取れるように努めてまいります。

特別支援学校の就労コーディネーターの現状と今後の取り組みについて、でございます。県教育委員会では企業の人事担当OBやハローワークOBなど地域企業との関係性が深く、障がい者雇用に関連する経験がある方などを就労コーディネーターとして、5人配置し担当する特別支援学校の生徒を各校の進路指導担当教員と連携し支援しております。現在の業務としては雇用実習先の開拓や企業の就職担当の方を対象に学校が行う高等部見学会の計画運営等を行っており、令和3年度には事業所、ホーム訪問を延べ1215回を行い、このうち現場実習に結び付いた事業所が339社、就職に結びついた事業所が56社となっております。

今後さらに多くの企業に生徒の働く意欲や働く力を知って頂けるよう、就労コーディネーターがきめ細かく企業を訪問しマッチングに努めるとともに、ハローワークなどの就労支援に関する関係者との連携を一層強化して受注先の確保や就労が進むよう取り組んでまいります。

最後に外部専門家活用事業の現状と成果について、でございます。令和元年度から行っている外部専門家活用事業につきましては本年度特別支援学校全体でのべ55名のスポーツ選手、音楽家、芸術家の専門家の招聘を予定しており、現在各校では特色ある取り組みを実施しているところです。例えば、盲学校において県ブラインドサッカー協会会長によるブラインドサッカー教室を開催し、参加者にはいつか日本の代表になりたいという希望や生涯にわたってスポーツに親しみたいという意欲が育まれています。また、プロの太鼓演奏者の演奏を間近で鑑賞し構え方やたたき方を学ぶことにより、文化祭で力強い演奏を行えた等の例があり、一流の専門家の技や思いに触れることで様々な成果が見られております。今後は外部専門家のリスト化や好事例の共有などを行い、児童生徒の様々な教育的ニーズに応じた学びの充実に取り組んでまいります。以上でございます。

【原健児】

それぞれご答弁頂きました。農業大学校そして、特別支援学校におけるそれぞれの支援、とても特徴のある事業を今後もよろしく心の通う事業になるようにお願い申し上げます。

農業においても、特別支援学校においても子ども若者がそれぞれの困難に立ち向かい、乗り越える姿を常に見守ってあげていること、それは過去に同じ過程を乗り超えてきた我々の務めです。子ども若者が輝きを失わない行政の支援を今後も期待し、質問を終わります。

ありがとうございました。

カテゴリー: 議員活動 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です