令和4年11月定例議会 一般質問 x 答弁

1.上伊那伊北地域の道路整備について

飯田を起点とした南信州では、5年後のリニア新幹線開通に向け、今月22日には、長野県駅起工式が行われます。

上伊那地域 南部においても、飯田市につながる伊南バイパス、伊駒アルプスロード、伊那バイパスの設計・用地買収と地域住民に見える形で、新しい公共交通への期待が高まっています。

上伊那地域 北部も、伊那バイパスにつながる通称箕輪バイパス(松島バイパス)が整備され、中信に向け準備がされているところでありますが、北端は伊北インターで止まってしまっています。

辰野町、箕輪町、南箕輪村は東西をつなぐ大きな道路がなく、南から北、伊那市から来た車を国道153号線で塩尻に、竜東線で岡谷に流すほかありません。このことは過去の災害において、通行止めが発生し、大きな交通機能マヒが実際起きているところです。

困難な地形を有する上伊那北部玄関口でありますが、長年切望されているのが、両小野バイパスです。

リニア新幹線、三遠南信自動車を通じ訪れる観光客を 一般道を使い、中信、東信、北信へと運ぶのは、両小野バイパスです。

中信の県民の皆様をリニアに運ぶにも、両小野バイパスの開通にかかっていると言えます。

辰野町・塩尻市ならず、上伊那人として、災害対策・産業活性化に期待されている道路です。南信からの風通しを良くし、上伊那、伊北が取り残されることが無いよう、両小野バイパスの現状と展望を 田中建設部長にお伺いいたします。

箕輪バイパスも現状を見ますと、一部の区間で4車線化が完了しておらず、箕輪町内の30年間取り残されたJR飯田線高架橋、南箕輪村内全域の2車線止まりがあります。こちらも4車線化の早期完了をお願いします。

建設部長:国道153号の両小野バイパスの検討状況と今後の展望に関するお尋ねでございます。国道153号は重要物流道路に指定されている重要な幹線道路であります。しかし、辰野町小野地区から塩尻市北小野地区までの区間は幅員狭小で事故も多く安全な通行に支障をきたしている状況であります。また、昨年8月の豪雨の際には中央自動車道や平行する県道下諏訪辰野線が通行止めになったことから、国道153号に交通が集中し渋滞が発生しました。現在、現状の課題などの調査及び、検討を進めております。今後、整備方針の検討に向け地域の皆さまのご意見をお聞きしながら関係いたしますとも、しっかり連携し取り組んでまいります。以上でございます。

2.女性をターゲットとしたUターン就職支援策について お聞きいたします

私がリニアに期待するのは、上伊那地域の若者人口減少、特に若者女性に対しての歯止めの期待です。大学・専門学校等で進学した学生に戻ってきていただき、地元に住みながら東京圏・大阪圏を使ってもらうシン長野県若者ライフスタイルの確立があります。

東京、都会へのあこがれ、実際東京でなければ積めないキャリアはあります。しかし長野でそのキャリアを生かせることが伝わっていない、東京暮らしの中で、長野県は働く場所でないと確立してしまうのではないでしょうか。

若者女性流出は、どの地方においても同様で、東北活性化研究センターが2020年に『人口の社会減と女性の定着に関する意識調査』というのをまとめています。

東京圏に転出を希望している、または転出した若い女性の意識・考え方について情報収集・分析したものです。

若者女性意識をまとめた5つの中に『東京圏に進学した学生の半数超は地元に戻るつもりなし』とあります。

これは高校生のころより、地元に戻る意識がないということです。ただ、これは現代が特別なのではなく、若者として当然、昔からある意識です。

特別なのは、いま若い女性に戻ってきていただかなくてはならない、という現実です。

現在そのために、県やそれぞれの自治体で、SNSや銀座NAGANOなどを使い、情報発信をされ、頻繁に企業紹介されていますが、学生に意識を変えていただくためには、高校生の段階でUターンし地元就職を意識してもらうこと、そして都会・東京で暮らす中で、常に長野を意識してもらうことが必要だと考えます。

いま無いアプローチをと 仲間と議論する中で、県営による女子学生の為の学生寮の設置の話となりました。継続性ある学生同士の交流を持てる学生寮が有効ではないか、これにより県情報の効率的な伝達と、そこを拠点とする県の情報発信が期待できるのではないか。シン・リトルNAGANOと呼びました。

県営学生寮については、過去に存在し、建物の老朽化により存続を断念されたと聞いておりますが、今も寮への入居要求があることも聞いております。

大学進学率50%、県外流失70%において、ソフト面だけで歯止めはかけられないのではないでしょうか。

先ごろ県が公開した『2022年度の県内出身学生のUターン就職率』において、目標値45%に比べ実績値は36.5%となっており、目標値との乖離が見られます。この要因はどこにあるのでしょう。

これから景気が回復してゆくとUターン率はさらに減ることでしょう。いま大胆なアプローチが必要だと考えますが、現状の政策、これからの方針を 先の要因説明も含め 林産業労働部長にお伺いします。

産業労働部長:Uターン就職率の目標値との乖離の要因と、特に女性をターゲットにしたUターン就職を促すアプローチについてのお尋ねでございます。県出身の大学生等のUターン就職率はリーマンショック後に上昇し、平成23年が44.0%でしたがその後低下基調となり、令和2年は33.8%となりました。翌令和3年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも4.6ポイント上昇し、38.4%へと回復し、本年は36.5%となったところです。

『しあわせ信州創造プラン2.0』では、近年の最大値44.0%を基本に目標設定したところですが、景気動向と逆相関の動きとなるなど乖離が生じている状況であり、景気に左右されない創造的で魅力ある地域や、産業づくりに向けて一層の対策を講じる必要性を感じております。

殊に分野別に見た労働力不足は建設業や製造業で顕著であるため、若者や女性が働きやすい職場環境づくりが求められます。現在、県では長野労働局とも連携し『くるみん』や『えるぼし』の認定制度や『職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度』、『長野県SDGs推進企業登録制度』などを通じ、安心して働くことができる魅力的な環境整備を促しております。Uターン就職促進協定を提携している大学59校に対する、情報発信や大都市圏での就活イベント等により県内企業の魅力をPRしています。女性へのアプローチとしては『ながのけん社員応援企業のさいと』に女性の就活応援情報を掲載しており、今週末には若手社員で結成した就活長野応援隊の女性隊員から体験談を語ってもらうなど事業を予定しております。長野県で暮らす、働く魅力を直接お伝えすることでUターン就職を促進できるよう取組んでまいります。

参考

『くるみん認定』仕事と家庭の両立支援

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html

『えるぼし認定』 女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」

https://shokuba.mhlw.go.jp/published/special_02.htm

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